他律神経の日記

犬が好きです。

2021年5月22日 今日の賃金労働者とはただ一人の客しか持たない零細自営業者のことである

 土曜日、雨のち曇り。労働、朝から。

 完全に入眠に失敗し、不眠のまま始発で労働へ。吉本隆明の詩そのもののような生活。私は廃人になりかけている。初め、労働強度は低かったが、途中で別チームで問題が発生し、休日の上長に電話することになる。先輩に喫煙所に誘われる。煙草を貰う。お前も責任ある立場になるから心せよとかそんな内容。しかし私はこの文明に何の責任もない。アンダークラスには、この文明について何の責任もあるはずがない。文明はただ自らの重みで死ぬことになるだけだ。帰宅後、犬と少し寝る。クッションを噛んでいるところを見ていて欲しかったらしく、夕食を摂っていると吠えられた。あとはもうただ眠るだけ。文化的な最低限度の生活とは。

 手取り時給並みの価格なのに上司や先輩の尻の穴の味がするランチを食べたくなかったので、コンビニでインスタントラーメンを買う。事務所で啜っていると先輩に貧乏なのか? と言われたが、そんなことは自分の給与明細をわかることだろうと思う。

 上の人間の会議録があったので読んだ。別のチームを解体するために、どうやって自動化するかをしきりに議論している。彼らが毎月高い金を払って派遣労働者を使ってきた、その成果が今、実現するのだ。使用関係しかないため、「クビ」にするという良心の呵責なしに、あるいは法的な係争を心配せずに、チームを解体できるというわけだ。ジャパニーズ・ドリームは実現した。これが、それだ。

 私たちは貧乏だ。そのことを忘れてはならない。私たちは貧乏だ。この文明のあらゆる快楽に見放されながら、この文明に奉仕する新しい生き物だ。私たちは貧乏だ。私たちはいつ業務を自動化され、お払い箱になるかわからない。私たちは、ただ一人の客しか持たない、零細の自営業者だ。わかりましたか、先輩。