他律神経の日記

犬が好きです。

2021年5月28日 文明とは死の運命を忘却するための猛烈な努力の蓄積

 金曜日、曇り。休暇。

 朝4時くらいまで三体を読み続けて、ついに読み終える。この感想についてはいずれ別に文章を用意しようと思う。やはりどう考えても、プラトーノフの小説の読後感と似ている。ロシア宇宙主義を想起する。または、空想的社会主義者たちの、死者を救済するための人工冥府の開発について。15時近くに起きて、犬と散歩に行く。三体は本当にどうしようもない世界でのどうしようもない努力の悲哀をも書いているわけだが、これは今や、アクチュアリティがあると思う。こういうことを考えて一生を終えたかったが、私には許されていない。そろそろ仕事を辞めようと思う。人類史に同期して死にたい。一連のパンデミック騒動下における我々の破れかぶれな態度からも明らかだが、我々は死を遠ざけ、忘却した世界に生きている。文明とはそれだ。死を忘却するための猛烈な努力だ。文明は勝利し、我々を作った。毎日を相互監視に費やして終える我々を、作った。犬と散歩してから、また寝てしまう。夜に起きる。休日が終わる。